ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集

斉藤倫

1200円(税別)

福音館書店

あらすじ

きみはいつものように、あけっぱなしの玄関から、どんどんぼくの部屋にあがりこんできた。ランドセルをおろして、きみはいった。「ねえねえ」「なんだあ」「せんせいが、おまえは本を読めっていうんだ。ことばがなってないから」。ぼくは立ち上がってとなりの部屋に行き、本だなから一冊の詩集をとってきた。そして、ページをひらいて、きみに手渡す。「ここんとこ、読んでみな」。詩はむずかしい。詩は意味がよくわからない。だから、詩はおもしろくない。確かに詩はむずかしくて、よくわからないものかもしれない。でも、詩はおもしろくて、ほんとうにたのしくて、そして自由だ。詩は、ことばを自由にし、ことばによって縛られ、不自由になっているわたしたちに、ことばは、わたしたちを縛るのではなくて、わたしたちは、ことばによって自由になれるのだと教えてくれる。20篇の詩を通して、詩人斉藤倫と楽しみ、そして考える、詩のことそしてことばのこと。

作品の中に登場する詩
1.「あの」藤富保男/「か」藤富保男 2.「うしろで何か」松井啓子/「じゃがいものそうだん」石原吉郎 3.「まつおかさんの家」辻征夫/「人生が1時間だとしたら」高階杞一 4.「きりん」まど・みちお/「やくぢやま節」 5.「痛点まで」松岡政則/「ユウレイノウタ」入沢康夫 6.「ねむり」山崎るり子/「猫」萩原朔太郎 7.「海をみにゆこう」長田弘/「ナチュラル・ミネラル・ウォーター」田中庸介 8.「真夜中の蟬」中野重治/「誰かが言ったに違いない」村上昭夫 9.「『句集 無伴奏』より」岡田幸生/「崖」石垣りん 10.「大漁」金子みすゞ/「風がやむとき」井上洋子