2019.11.29[金] 公開

ファイティング・ファミリー

配給/パルコ、ユニバーサル映画

監督・脚本/スティーヴン・マーチャント

出演/フローレンス・ピュー、レナ・ヘディ、

ニック・フロスト、ジャック・ロウデン、

ヴィンス・ヴォーン/ドウェイン・ジョンソンほか

製作国/アメリカ 108分

 

公開劇場/札幌シネマフロンティア

 

『ファイティング・ファミリー』公式サイト:

https://fighting-family.com/

ストーリー

イギリス北部ノーウィッチでレスリング・ジムを営むナイト一家はレスリングの固い絆で結ばれている。中1の時からリングに立っていた18才のサラヤ(フローレンス・ピュー)は特にレスリングを愛している。
日々ジムに通う子供達にレスリングを教え、いつかはWWE(ワールド・レスリング・エンターテイメント)の試合に出て一家を盛り上げたいと願う健気な娘だ。兄のザック(ジャック・ロウデン)もプロレス命。だが彼は愛する彼女と結婚をし、普通の家庭も持ちたい。そんな兄妹に転機が訪れる。トレーナーのハッチ(ヴィンス・ヴォーン)に誘われ、WWEのトライアウトに参加する。そこで二人が尊敬してやまない、かのドウェイン・ジョンソンと対面を果たすのだ。大喜びでトレーニングに勤しむ兄妹だったがサラヤだけが次のステージに進み、フロリダに行くことが決まる。兄と二人で渡米したいと言い張るサラヤを、ザックが説き伏せる。「家族みんなの為にお前ひとりでも行ってくれ。」しぶしぶ承知したサラヤはリング名を「ペイジ」に決め、大好きな家族と別れてアメリカに渡る――。

イントロダクション

世界最高峰プロレス団体WWEにハチャメチャ家族が立ち向かう心温まるトゥルーストーリー!

一風変わった家族のガッツ溢れるストーリー。それはイギリス映画特有のジャンルとも言える。
名匠マイク・リーやケン・ローチが長年描いてきたワーキングクラスの英国ファミリーは、決して裕福ではないが互いに本音でぶつかり合い、笑いと涙に満ちている。ブリティッシュ・フィルムは、その生き様をユーモラスに、そしておおらかに謳いあげてきた。そこにはハリウッド映画には中々出せない、身体を張った泥臭さと虚飾を寄せつけない堅実さがみてとれる。今このジャンルに、新たな物語が刻まれた。
その魅惑的なタイトルは『ファイティング・ファミリー』。実話に基づいたこの作品、レスリングに全てを捧げた家族の物語である。

映画レビュー

レビュー01

 映画は実話をモデルにしているが、単なるプロレス成功物語ではなかった。英国社会の底辺層で生きる、家族全員がプロレスラーのナイト一家。長女サラヤ、リングネーム「ペイジ」がプロレスの本場米国で頂点を極めたアメリカンドリーム。本作は成功までの家族の葛藤を見事に描いた家族愛が詰まっている。
 主人公のペイジが家族の期待に応えるためWWE(ワールド・レスリング・エンターテイメント)に挑戦する。厳しいトレーニングが続く中、ペイジを中心にさまざまな人間ドラマが展開する。WWEで活躍することが本当に自分の夢なのか。覚悟があるのか。ペイジのWWE挑戦を素直に応援できない兄ザック。居場所の見失いWWEを辞めるというペイジ。家族が選択した道は…。自分の進む道に迷っている方、将来を模索している方には必見の映画と言える。自分の殻を破り、さらけ出すことで本心に気づき、そして本気になれる。この映画には、そんな力があり勇気づけられる。全編を通して緊張感ある画中において、違った意味で緊張するペイジの両親の露骨な下ネタ会話は、爆笑できるのでお見逃しなく。
 ラストシーンはペイジのデビュー戦。リングに向かう前、兄妹の会話が胸を打つ。思わずハンカチに手が伸びた。見終わったとき、ペイジが活躍したWWEが観たくなる衝動に駆られた。